Triangle –08冬季日剧
亮二(江口洋介)は、ようやくたどり着いた25年前の事件の犯人と対決することを信造(北大路欣也)に報告。佐智絵、志摩野(堺雅人)、サチ(広末涼子)が殺された3つの事件は、同じ人物の犯行だと告げる。信造は、すでにその人物を捜査本部が追っていると言い、亮二の危険な行動を止めようとする。だが亮二は「すべてを知りたい。25年前の真実を明らかにしたい」と訴え、自ら犯人と対峙させてほしいと頭を下げる。その悲痛な願いを受け止めた信造は、亮二が遺体の第一発見者だったことを掴めなかった自分の不甲斐なさを詫び、真相に迫ろうとする亮二を送り出す。
待ち合わせ場所のスタジアムにやって来た亮二に、舜(稲垣吾郎)から無線連絡が入る。「これ以上、犠牲者を出さないように」と信造に護衛を命じられ、現場に向かっているという舜は、そこに現れる犯人が誰であるかをすでに知らされていた。
亮二に呼び出されたがやってきた。亮二は均に25年前の事件との関わりを厳しく追及。緊迫したやりとりを続ける2人に、サチを狙撃したものと同じライフルの銃口が向けられていた。亮二に狙いが定まったその瞬間、護衛のために駆けつけた舜が、男の凶行を止める。その男とは…丸山(小日向文世)だ!
サチが撃たれたときと同じ状況を作れば、犯人はまた2人を狙いに来る。そう考えた亮二が丸山をおびき寄せるために仕掛けた罠だったのだ。「その予想が外れることを、俺はどこかで祈っていた!」と悔しさを爆発させる舜。観念した丸山は思わぬ行動に出る。自首すると捜査本部に電話をかけたのだ。
丸山はサチの殺害を認めたが、亮二を守るために咄嗟に撃ったと過失致死を主張。25年前の事件については、何も知らないと関与を否定する。しかし亮二は秋本(佐々木蔵之介)から、25年前、亮二と間違えて秋本を見張っていた男が、近所の交番のお巡りさんだったと聞かされていた。
丸山はすでに捜査本部の手にあり、亮二が取り調べることはできない。苛立つ亮二に追い打ちをかけるように、即刻研修を中断し、リヨンのインターポールに戻れとの指示が出た。しかし信造は、辞職を覚悟で、亮二が丸山を取り調べられるよう取りはからう。
取調室でついに対峙する亮二と丸山。口火を切ったのは同席した舜だった。亮二を狙って志摩野とサチの命を奪い、均に罪を着せようとしたのではないか?15年前の八ヶ岳の火災も丸山の犯行で、警察上層部と繋がる新藤(宅麻伸)の存在をちらつかせることで、事件をもみ消したのではないか?そんな舜の追及を、丸山はどれも証拠がないとかわす。
そのとき、亮二が口を開く。信造の捜査資料で事件を洗い直していたとき、佐智絵殺害現場からの押収品だった野球カードについて、丸山が漏らした一言。それは第一発見者だった亮二と犯人しか知り得ない事実だったのだ。その切り札を突きつけられた丸山はすべての罪を認め、佐智絵殺しの動機を告白する。25年前、均の会社に勤めていた丸山の妹は、会社の金を横領した疑いをかけられて自殺していた。丸山は妹を奪われた恨みを均に向け、復讐のために佐智絵の命を奪ったのだった。開き直った丸山は舜の拳銃を奪い、もみ合いになる亮二と丸山。銃を奪った亮二に丸山は「撃てよ!」と挑発するが、亮二は、「真実が明らかになったことで俺はこれから自分の人生を生きていける。」と語り、時効によって罪を償うチャンスを失った丸山を「可哀相に」と哀れむ。
数日後、舜は新藤に関連するすべての事件で隠蔽工作を働いた警察OBの代議士を告発。信造は辞表を提出し、正義を貫くと誓う舜に後を託して警察を去る。そして、亮二がリヨンに発つ日。唯衣(相武紗季)に送り出された亮二は、25年前の事件現場へ。佐智絵に祈りを捧げ、ようやく取り戻した自分の人生を歩み出す。